かんたん診断

制度ガイド

省エネ・非化石転換補助金とは|工場・事業場型と設備単位型の違い・補助率・4次公募の締切

SII(環境共創イニシアチブ)の令和7年度補正「省エネ・非化石転換補助金」を、工場・事業場型と設備単位型の違い、補助率・上限額、省エネ要件、事業完了の期限まで4次公募の公募要領から整理します。4次公募の締切は2026年10月30日17時必着(郵送)です。

2026年10月19日 更新 · 5分で読めます

この記事の結論

  • 省エネ・非化石転換補助金は、SIIが執行する令和7年度補正の補助金で、工場・事業場全体で省エネに取り組む「工場・事業場型」と、指定設備を1台単位で更新する「設備単位型」などに分かれます。個人事業主も「中小企業者等」に含まれます。
  • 設備単位型(従来枠)は補助率1/3以内・上限1億円・下限30万円、工場・事業場型の中小企業者等は一般枠で1/2以内(投資回収年数7年未満は1/3以内)・単年度の上限15億円です。
  • 4次公募はどちらも2026年10月5日〜10月30日17時必着で、申請書類は郵送します(持参不可)。交付決定は12月下旬予定で、契約・発注は交付決定日以降に行います。

省エネ・非化石転換補助金とはどんな制度ですか?

工場や事業所の設備を、エネルギー消費の少ないものや化石燃料を使わないものに入れ替える費用を補助する国の制度です。経済産業省の予算で、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が執行しています。いま公募しているのは令和7年度補正予算分の4次公募です(2026年10月19日時点)。

申請の型は大きく2つです。

型向いている事業補助対象経費
工場・事業場型工場・事業場全体で省エネに取り組み、現場に合わせて設計する「オーダーメイド型設備」や指定設備に更新する設計費・設備費・工事費
設備単位型高効率空調、業務用給湯器、冷凍冷蔵設備、LED照明など、SIIが指定した設備へ1台単位で更新する設備費

このほか、電化・燃料転換を対象にした「電化・脱炭素燃転型」、エネルギー管理システム(EMS)を入れる「エネルギー需要最適化型」があり、組み合わせて申請できる区分もあります。

設備単位型の対象設備と補助率は?

設備単位型の対象は、SIIが基準を満たすとして公表した「指定設備」への更新です。4次公募の公募要領に挙がっている設備区分は次の15種類です。

  • ユーティリティ設備:高効率空調(業務・産業用エアコン等)、産業ヒートポンプ、業務用給湯器、高性能ボイラ、高効率コージェネレーション、低炭素工業炉、変圧器、冷凍冷蔵設備、産業用モータ、制御機能付きLED照明器具
  • 生産設備:工作機械、プラスチック加工機械、プレス機械、印刷機械、ダイカストマシン
区分補助率上限額下限額
設備単位型(従来枠・メーカー強化枠)1/3以内1億円/事業全体30万円
GX設備単位型 トップ性能枠(更新)1/2以内3億円/事業全体30万円
GX設備単位型 トップ性能枠(新設)1/5以内3億円/事業全体30万円

設備単位型(従来枠)は、次のいずれかの省エネ要件を満たす必要があります。

  • 省エネ率10%以上
  • 省エネ量1kl以上(原油換算)
  • 経費当たり省エネ量1kl/千万円以上

トップ性能枠は、SIIの第三者委員会が定めた「トップ性能基準」を満たす設備が対象です。4次公募から、産業ヒートポンプ(低温帯)と高効率コージェネレーションが加わりました。

工場・事業場型の補助率と上限額は?

中小企業者等の補助率は次のとおりです(大企業はそれぞれ一段低い率)。

枠中小企業者等の補助率主な要件(いずれか)
先進枠2/3以内(オーダーメイド型設備・指定設備の部分は1/2以内)SIIの外部審査委員会で採択された「先進設備・システム」に更新し、省エネ率+非化石割合増加率30%以上などを満たす
一般枠1/2以内(投資回収年数7年未満の事業は1/3以内)省エネ率+非化石割合増加率10%以上、省エネ量+非化石使用量700kl以上、エネルギー消費原単位改善率7%以上
中小企業投資促進枠1/2以内(投資回収年数5年未満の事業は1/3以内)省エネ率+非化石割合増加率7%以上、省エネ量+非化石使用量500kl以上、エネルギー消費原単位改善率5%以上

上限額は単年度事業で15億円(非化石転換の場合は20億円)、下限額は100万円です。中小企業投資促進枠は中小企業者等だけが使える枠で、一般枠より緩い省エネ要件で同じ1/2以内の補助率になります。

申請から事業完了までの流れは?

時期内容
2026年10月5日〜10月30日17時必着4次公募の受付。書類は「補助事業ポータル」で作り、配送状況を確認できる方法で郵送(持参不可)
12月下旬(予定)交付決定。この日が事業開始日で、契約・発注はこの日以降
2027年1月31日まで(原則)設備の検収と支払いを終えて事業完了。既存設備も原則この日までに撤去
事業完了から30日以内など実績報告

採択は事業区分ごとに評価項目で審査し、外部審査委員会の評価を踏まえて上位から予算の範囲内で決まります。書類に不備があると修正・再提出で審査が遅れるとSIIは案内しています。1〜3次公募で作ったポータルのアカウントは4次公募でも使えます。

申請前のチェックリスト

  • 入れ替える設備が、SIIが公表した指定設備(型番)に入っているか
  • 省エネ率・省エネ量などの要件を、更新前後のエネルギー使用量で計算できるか
  • 見積もりを3者以上から取ったか(2026年3月25日以降の発行日のもの)
  • 契約・発注を交付決定日(12月下旬予定)まで待てるか
  • 2027年1月31日までに設置・検収・支払いまで終えられる工期か
  • 同じ設備で他の国の補助金を使っていないか(補助対象経費が重複する併用は不可)

関連する制度

ほかの省エネ・脱炭素の補助金(環境省のSHIFT事業、業務用建築物の脱炭素改修加速化事業)との比較は「省エネ・脱炭素の補助金・助成金」にまとめています。生産ラインの自動化が目的なら「省力化投資補助金」、設備投資全般なら「ものづくり補助金」も候補です。

出典

(2026年10月19日確認)

よくある質問

工場・事業場型と設備単位型のどちらで申請すればいいですか?

空調・給湯器・LED照明など、SIIが指定した設備を入れ替えるだけなら設備単位型が向いています。工場や事業場全体で、現場に合わせて設計する「オーダーメイド型設備」を入れる場合や、省エネ率10%以上などの事業全体の要件を満たす計画なら工場・事業場型です。

個人事業主でも申請できますか?

できます。公募要領では「中小企業者等」に個人事業主が含まれています。設備単位型の公募要領では、個人事業主は青色申告者であり、確定申告書と所得税青色申告決算書の写しを提出するとされています。

見積もりは交付決定の前に取ってもいいですか?

設備単位型の公募要領では、3者以上の見積依頼・競争入札は、1次公募の公募要領の公開日(2026年3月25日)以降の発行日であれば交付決定前の実施も有効とされています。ただし契約・発注は必ず交付決定日以降です。

いつまでに設備を入れればいいですか?

両型とも、補助事業は原則2027年1月31日までに完了させること(検収と支払いまで)とされています。複数年度事業を申請する場合は別の期間が定められています。

次に読みたい記事