この記事の結論
- 人材開発支援助成金は、従業員に職務に関係する研修(訓練)を受けさせた事業主に、研修費用と研修中の賃金の一部を助成する厚生労働省の助成金です。
- 令和8年度は6コースあり、中小企業の場合、事業展開等リスキリング支援コースは経費の75%と1時間1,000円の賃金助成、人材育成支援コースは経費の45〜75%と1時間800円の賃金助成です。
- 支給申請は原則として支給要領に定める日の翌日から2か月以内です。同じ訓練で2つ以上の助成金を申請しても、支給されるのは一方だけです。
人材開発支援助成金とはどんな制度ですか?
厚生労働省の雇用関係助成金の一つで、従業員に職務に関係する知識や技能を身につけさせる訓練を行った事業主に、訓練の経費と訓練中の賃金の一部を助成します。窓口は都道府県労働局です。
令和8年度のパンフレット(令和8年4月8日時点)では、次の6コースがあります。
6つのコースは何が違いますか?
金額と助成率は中小企業の場合です。< >内は賃金要件などを満たした場合の加算です。
| コース | 対象になる取組 | 主な助成(中小企業) |
|---|---|---|
| 人材育成支援 | 10時間以上のOFF-JT、中核人材向けのOJT+OFF-JT(6か月以上)、中高年齢者向け訓練、有期契約労働者等の正社員化を目指す訓練 | 賃金1時間800円<200円>、経費45〜75%<15〜25%>、OJT定額10万〜20万円 |
| 教育訓練休暇等付与 | 有給の教育訓練休暇制度を導入し、従業員が利用 | 定額30万円<6万円> |
| 人への投資促進 | 高度デジタル人材の訓練、IT分野のOJT+OFF-JT、定額制訓練、従業員の自発的な訓練費用の負担、長期教育訓練休暇制度など | 高度デジタル人材訓練は経費75%・賃金1時間1,000円、定額制訓練は経費60%<15%>など |
| 事業展開等リスキリング支援 | 新しい事業の展開などに伴い、新分野で必要な知識・技能を身につける訓練 | 経費75%、賃金1時間1,000円、設備投資加算は実費の50% |
| 建設労働者認定訓練 | 中小建設事業主などが行う認定訓練 | 経費の1/6、賃金日額3,800円<1,000円> |
| 建設労働者技能実習 | 建設工事に関係する特別教育・技能講習などの受講 | 経費3/4(20人以下)など、賃金日額8,550〜9,500円 |
どのコースを選べばいいですか?
- 一般的な社員研修なら、人材育成支援コースが基本です。
- 新しい事業を始める、DXを進めるための研修なら、助成率が高い事業展開等リスキリング支援コースが候補です。新事業への投資には新事業進出・ものづくり商業サービス補助金もあります。
- ITやデジタルの研修、定額制の研修サービスなら、人への投資促進コースです。
- 建設業は、建設労働者向けの2コースもあわせて確認してください。
申請で気をつけることは?
雇用関係助成金に共通する注意点として、パンフレットには次のことが書かれています。
- 支給申請の期間は、原則として支給要領に定める日の翌日から2か月以内
- 雇用保険の適用事業所であり、申請日と支給決定日に雇用保険の被保険者がいること
- 同じ訓練を対象に2つ以上の助成金を申請した場合、支給されるのは一方だけ
- 書類は支給決定日の翌日から5年間保存する
- 不正受給をすると、全額返還に加えて延滞金と不正受給額の20%相当額を請求され、5年間すべての雇用関係助成金を受けられなくなる
申請の代行や無料査定をうたって書面を一方的に送ってくる業者について、厚生労働省は「関与していない」と注意を呼びかけています。専門家に頼む場合は申請を専門家に頼むときの選び方も参考にしてください。
ほかの雇用関係の助成金は厚労省の助成金一覧にまとめています。
出典(2026年10月19日確認):
よくある質問
どんな研修が対象になりますか?
人材育成支援コースでは、10時間以上のOFF-JT(職場外の研修)や、OJTとOFF-JTを組み合わせた訓練などが対象です。新しい事業に必要な知識・技能を学ぶ訓練は、事業展開等リスキリング支援コースが対象です。
パートや契約社員の研修も対象ですか?
対象です。人材育成支援コースのOFF-JTでは、非正規雇用の労働者の経費助成率は70%(中小企業)で、正規雇用の45%より高く設定されています。
eラーニングなどの定額制の研修サービスは使えますか?
人への投資促進コースに「定額制訓練」の区分があり、中小企業は経費の60%が助成されます。
他の助成金と一緒に使えますか?
同じ訓練を対象に2つ以上の助成金を申請した場合、支給されるのは一方だけです。