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キャリアアップ助成金のコースの違い|正社員化・処遇改善を整理

キャリアアップ助成金の正社員化コース、賃金規定等改定コースなど6つのコースの対象と狙いを、厚生労働省の公式情報で整理し、計画届の出し方や不正受給の注意点も解説します。

2026年10月19日 更新 · 6分で読めます

この記事の結論

  • キャリアアップ助成金は、有期雇用・短時間・派遣といった非正規雇用の労働者の正社員化や処遇改善に取り組んだ事業主への助成金で、正社員化支援と処遇改善支援の2系統に分かれます。
  • コースは全部で6つあり、「年収の壁」への対応として新設された短時間労働者労働時間延長支援コースも含まれます。
  • 支給額は取組を行った日で変わるため、このページでは金額を載せていません。各コースの実施日の前日までに「キャリアアップ計画」を提出することが必要です。

キャリアアップ助成金とはどんな制度ですか?

厚生労働省の助成金で、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、いわゆる非正規雇用の労働者のキャリアアップを進めるために、正社員化や処遇改善に取り組んだ事業主へ支給されます。問い合わせ先は、管轄の都道府県労働局またはハローワークです。

コースはどう分かれていますか?

厚生労働省のページでは、目的別に2系統・6コースが示されています。

系統コース助成の対象になる取組
正社員化支援正社員化コース有期雇用労働者等(契約社員・パート・派遣社員など)を正社員化する
正社員化支援障害者正社員化コース障害のある有期雇用労働者等を正規雇用労働者等へ転換する
処遇改善支援賃金規定等改定コース有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を改定し、3%以上増額する
処遇改善支援賃金規定等共通化コース正規雇用労働者と共通の賃金規定等を、有期雇用労働者等に新たに規定・適用する
処遇改善支援賞与・退職金制度導入コース有期雇用労働者等を対象に賞与または退職金制度を導入し、支給または積立てを行う
処遇改善支援短時間労働者労働時間延長支援コース有期雇用労働者等が新たに社会保険の適用となる際、労働時間の延長などで収入を増やす

自社の状況だとどのコースを検討しますか?

次の表は、取組の内容から検討するコースの目安です。

やりたいこと検討するコース
パート・契約社員を正社員にしたい正社員化コース(障害のある方なら障害者正社員化コース)
非正規の基本給を引き上げたい賃金規定等改定コース(基本給を3%以上増額)
正社員と同じ賃金テーブルを非正規にも適用したい賃金規定等共通化コース
非正規にも賞与や退職金の制度を作りたい賞与・退職金制度導入コース
社会保険の適用に合わせて労働時間を延ばしてもらいたい短時間労働者労働時間延長支援コース

短時間労働者労働時間延長支援コースは、「年収の壁」への対応として新設されたコースです。労働者を新たに被用者保険に適用させるとともに、収入を増やす取組を行った事業主が対象になります。厚生労働省のページでは、このコースの支給実績(令和8年3月末時点)も公表されています。

いくら支給されますか?(令和8年度)

厚生労働省の令和8年度版パンフレットから、主なコースの支給額を整理しました。

正社員化コース(1人当たり)

対象者中小企業大企業
重点支援対象者・有期→正規80万円(40万円×2期)60万円(30万円×2期)
重点支援対象者・無期→正規40万円(20万円×2期)30万円(15万円×2期)
それ以外・有期→正規40万円30万円
それ以外・無期→正規20万円15万円

正社員転換制度や多様な正社員制度を新たに規定した場合などには、1事業所1回の加算があります。申請できるのは1年度1事業所当たり20人までです。

処遇改善のコース

コース支給額(中小企業)大企業
賃金規定等改定(1人当たり)賃上げ率3%以上4万円〜6%以上7万円2.6万〜4.6万円
賃金規定等共通化(1事業所1回)60万円45万円
賞与・退職金制度導入(1事業所1回)どちらか40万円、同時導入56万8,000円30万円、42万6,000円
短時間労働者労働時間延長支援(1人当たり・1年目)40万円(小規模企業50万円)30万円

申請はいつまでに出しますか?

コース支給申請の期限
正社員化コース 第1期正社員転換後6か月分の賃金を支払った日の翌日から2か月以内
正社員化コース 第2期正社員転換後12か月分の賃金を支払った日の翌日から2か月以内
処遇改善のコース取組後6か月分の賃金を支払った日の翌日から2か月以内

令和8年4月1日に雇用した新規学卒者は、令和9年3月31日まで正社員化コースの対象外です。

手続きでつまずきやすい点は?

  • 計画が先:各コースの実施日の前日までに「キャリアアップ計画」を作成して提出します。計画は労働組合等の意見を聴いて作ります。
  • 様式は取組日で変わる:制度の見直しのたびに申請様式が改定され、支給申請様式や支給金額は各コースの取組を行った日で変わります。申請時は、取組日に対応する様式をダウンロードしてください。
  • チェックリストを使う:申請書や添付書類の確認事項をまとめた「支給申請チェックリスト」が公開されています。
  • 金額は取組日で変わる:上の金額は令和8年度版です。取組日によって金額や要件が違うため、申請前にパンフレットと支給要領で確認してください。

不正受給は、事業主の役員や従業員、代理人が関わった場合も事業主本人が行ったものとみなされます。申請内容は提出前に必ず自社で確認しましょう。

他の助成金とどう組み合わせますか?

賃金の引き上げと設備投資を組み合わせるなら業務改善助成金、従業員の研修なら人材開発支援助成金など、厚生労働省の助成金は目的ごとに分かれています。全体像は補助金と助成金の違いと厚労省の助成金の探し方と厚労省の助成金一覧で確認できます。

出典(2026年10月19日確認):

よくある質問

パートやアルバイトを正社員にすれば必ず受給できますか?

必ず受給できるわけではありません。コースごとの要件を満たし、計画届と支給申請を所定の手続きで行う必要があります。支給要件の詳細は支給要領とパンフレットで確認してください。

計画はいつまでに出せばいいですか?

各コースの実施日の前日までに、労働組合等の意見を聴いて作成した「キャリアアップ計画」などを提出します。取り組んでから計画を出すことはできません。

複数のコースを同時に使えますか?

厚生労働省のページには併用の可否は書かれていません。併用できるかは、支給要領やQ&Aで確認してください。

不正受給をするとどうなりますか?

不正に受給した助成金は全額返還のうえ、延滞金と不正受給額の2割に相当する額の納付が必要です。さらに、不正受給の決定日から5年間は雇用関係助成金を受給できず、事業主名などが公表される場合もあります。

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