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業務改善助成金とは|最低賃金の引き上げと設備投資の仕組み

業務改善助成金は、事業場内最低賃金を引き上げて生産性向上のための設備投資を行う中小企業を支援する厚生労働省の助成金です。令和8年度の受付期間、特例事業者、事業完了期限を整理します。

2026年10月19日 更新 · 5分で読めます

この記事の結論

  • 業務改善助成金は、事業場内最低賃金を引き上げたうえで、生産性向上に資する設備投資などを行った費用の一部を助成する制度です。
  • 令和8年度の受付は2026年9月1日に始まり、都道府県によっては9月末が申請期限です。令和7年度の公募では、助成上限額は600万円、助成率は3/4〜4/5と掲載されていました。
  • 賃金の引き上げも設備投資も「これから実施するもの」が対象で、事業完了期限は交付決定の属する年度の1月31日です。

業務改善助成金とはどんな制度ですか?

厚生労働省が実施する助成金で、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援します。機械設備の導入やコンサルティングなど、生産性向上に資する設備投資等を行うとともに、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を一定額以上引き上げた場合に、設備投資等にかかった費用の一部が助成されます。

流れは、賃金引き上げの計画と設備投資等の計画を立てて申請し、交付決定後に計画どおり進めて結果を報告する、というものです。補助金と同じく後払いで、事業の結果を報告してから支給されます。

年度ごとの数字はどう違いますか?

項目令和7年度(Jグランツ掲載)令和8年度(厚生労働省ページ)
賃金の引き上げ事業場内最低賃金を30円以上引き上げ各コースに定める金額以上を引き上げ
助成上限額600万円最大600万円(90円コース・特例事業者が10人以上を引き上げる場合)
助成率3/4〜4/5引上げ前の事業場内最低賃金が1,050円未満なら4/5、1,050円以上なら3/4
受付期間2025年4月14日〜2026年3月31日2026年9月1日から、事業場の所在地の地域別最低賃金の発効日の前日か11月30日のいずれか早い日まで

令和8年度はいくらまで助成されますか?

令和8年度のリーフレットから、引上げ額のコースと引き上げる労働者数ごとの助成上限額を整理しました。

引き上げる労働者数50円コース70円コース90円コース
4〜5人70万円130万円270万円
6〜7人90万円180万円360万円
8人以上110万円230万円450万円
10人以上(特例事業者のみ)130万円300万円600万円

1〜3人を引き上げる場合の上限額は、事業場規模(30人未満かどうか)で変わります。厚生労働省のリーフレットで確認してください。助成額は、上限額と「設備投資等の費用×助成率」のうち低いほうです。

当サイトの試算例:事業場内最低賃金が1,040円の事業場で、5人の時給を70円上げ、200万円の設備を入れる場合、助成率は4/5で「200万円×4/5=160万円」ですが、70円コース・4〜5人の上限が130万円のため、助成額は130万円になります(ほかの要件を満たす場合)。令和7年度の詳細は当サイトの掲載ページにあります。

「事業場内最低賃金」とは何ですか?

事業場で最も低い時間給のことです。ただしこの助成金では、雇用保険の被保険者で、雇入れから6か月を経過した労働者の事業場内最低賃金を引き上げる必要があります。時間給制・日給制・月給制で計算方法が異なり、歩合給制は一定の計算方法で算出します。算出が難しい場合は、管轄の労働局に相談できます。

特例事業者になると何が変わりますか?

次のいずれかに当てはまる事業者は「特例事業者」として、助成上限額の拡大が受けられます。

  • 賃金要件:事業場内最低賃金が1,050円未満の事業場について申請する事業者
  • 物価高騰等要件:原材料費の高騰など外的要因で、申請前の直近6か月の平均利益率(売上高総利益率または売上高営業利益率)が、前年同期より3%ポイント以上低下している事業者

物価高騰等要件で申請する場合は、事業活動の状況に関する申出書の提出が必要です。この要件に該当すると、助成対象経費も広がります。

期限と手続きで注意することは?

  • 事業完了期限:導入機器の納品日、支払完了日、賃金引き上げ日のうち最も遅い日が基準で、令和8年度の申請では交付決定の属する年度の1月31日です。やむを得ない理由があれば、理由書の提出により3月31日まで延長される場合があります。
  • 申請期間:都道府県によっては9月末が期限です。令和8年度は事業場の所在地ごとにJグランツの申請フォームが異なります。
  • 電子申請:Jグランツでの申請にはGビズIDプライムが必要です。窓口は事業場所在地の労働局です。
  • 不審な勧誘:厚生労働省は、委託を受けたと装って助成金の活用を勧誘する事業者がいるとして注意を呼びかけています。

賃上げ全般の支援は雇用・職場環境の補助金や、厚労省の助成金一覧から探せます。

出典(2026年10月19日確認):

よくある質問

従業員がいない個人事業主でも使えますか?

使えません。労働者の事業場内最低賃金を引き上げるための制度のため、労働者がいない場合は助成の対象外です。

すでに購入した設備も対象になりますか?

なりません。事業場内最低賃金の引き上げも設備投資も、これから実施するものが助成の対象です。

パソコンやタブレットは対象経費になりますか?

通常は認められていません。特例事業者のうち物価高騰等要件に該当する場合に限り、令和8年度申請分では端末と周辺機器の新規導入も対象になります。

助成金の支給額はどう決まりますか?

設備投資等にかかった費用に助成率をかけた金額と、助成上限額を比べて、いずれか安い方になります。

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