この記事の結論
- 事業者が受け取る補助金・助成金は、原則として事業の収入(法人は益金)として課税の対象になります。
- 固定資産の取得や改良に充てる国・地方公共団体の補助金(国庫補助金等)は、個人事業主なら確定申告で明細書を添付すると、充てた部分が総収入金額に算入されません。法人には圧縮記帳の制度(法人税法第42条)があります。
- どちらも課税がなくなるのではなく、その固定資産の取得費を減らして後の減価償却で調整する仕組みです。
補助金に税金はかかりますか?
事業者が受け取る補助金や助成金は、原則として事業の収入(法人は益金)として扱われ、課税の対象になります。「返済しなくてよいお金」でも、税金がかからないお金ではありません。
ただし、**固定資産の取得や改良に充てるための国や地方公共団体の補助金(国庫補助金等)**には、受け取った年にまとめて課税されないようにする仕組みがあります。
個人事業主の場合は?
国税庁のタックスアンサー(No.2202、令和8年4月1日現在の法令等)では、次のように説明されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 固定資産の取得や改良に充てるために国や地方公共団体から交付を受けた補助金・給付金など |
| 条件 | 交付の目的に合った固定資産の取得や改良をしたこと |
| 扱い | 取得や改良に充てた部分の金額は、総収入金額に算入しない |
| 手続き | 「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付した確定申告書を提出する |
| その後 | 固定資産の取得費は、実際の取得費から不算入にした補助金の額を引いた額になり、減価償却費もそれを基に計算する |
| 根拠 | 所得税法第42条・第43条ほか |
法人の場合は?
法人には、法人税法第42条「国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入」があります。国税庁の質疑応答事例では、国庫補助金等を「固定資産の取得又は改良に充てるための国又は地方公共団体の補助金又は給付金等で、対象法人に対して直接交付されるもの」と説明しています。
事務局などを通じて交付される場合(間接交付)でも、実質的に国や地方公共団体から直接交付を受けたと認められるときは、国庫補助金等に当たると考えられるとされています。
補助金ごとに何に気をつければいいですか?
| 補助金の使い道 | 例 | 税金の考え方 |
|---|---|---|
| 機械・設備・建物の購入 | ものづくり補助金、省力化投資補助金、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 | 固定資産の取得に充てた部分は、不算入(個人)や圧縮記帳(法人)の対象になりうる |
| ソフトウェアの購入 | IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金) | ソフトウェアが固定資産になるかで扱いが変わるため、税務署か税理士に確認する |
| 賃金・研修・経費の助成 | 人材開発支援助成金、キャリアアップ助成金 | 固定資産の取得ではないため、受け取った年の収入(益金)として扱うのが原則 |
この表は国税庁の説明をもとにした整理で、個別の処理は補助金の種類や時期で変わります。決算や確定申告の前に、所轄の税務署か税理士に確認してください。
出典(2026年10月19日確認):
よくある質問
補助金をもらったら税金はかかりますか?
事業者が受け取る補助金は、原則として課税の対象です。ただし固定資産の取得や改良に充てた国庫補助金等は、個人事業主は総収入金額不算入、法人は圧縮記帳の扱いを受けられる場合があります。
個人事業主が総収入金額不算入を受けるには?
交付の目的に合った固定資産の取得や改良をしたうえで、「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付した確定申告書を提出します。
不算入にすると何が変わりますか?
その固定資産の取得費は、実際の取得費から不算入にした補助金の額を引いた額になり、減価償却費もその額を基に計算します。
自分の場合の正しい処理を知りたいです。
補助金の種類や受け取った時期、資産の取得時期によって扱いが変わります。具体的な処理は、所轄の税務署か税理士に確認してください。